遠州地方の方言 「くろ」って、カラーの黒ではないです。
意味は”隅”です。
なんだか何の関連性もないですよね。
どんなふうに使うかって? さらっと再現してみたいと思います。
東京からお嫁に来たハナちゃんとお母さんの会話
お母さん・・ハナちゃん、今日は誰もいないからその間にちゃっとお片付けしてしまいましょうよ!
ハナちゃん・・そうですね。すこしお部屋が乱雑ですものね。何から始めましょう?
お母さん・・まずは、出ているものをしまいましょう。
そこのくろの赤いバッグ箱に入れてタンスの上においてね。
ハナちゃん・・はぁ~い! んっ? くろの赤いバッグ? くろ? 黒の赤い?? もしかしてチェック柄?
※ハナちゃんは一生懸命考えます。そんなものはどこにも無いし・・
お母さん・・終わったら隣の部屋のくろのダンボールの箱チャット持ってきてくれる!
ハナちゃん・・えっ! また、くろ? 黒のダンボール箱?
※ハナちゃんは考え込んでしまいました。

お母さん・・どうしたの? ハナちゃん!
ハナちゃん・・あのぅ。お母さん。黒の赤いバッグって見当たらないんですけど。あと、黒のダンボール箱も。
お母さん・・えっ! あぁ、ごめんなさい。東京出身のハナちゃんはわからなかったわね。ふっふっふっ! くろとは遠州では隅のことをいうのよ。
おわかりいただけましたか!
わかってみればお笑い話のようですね。
くろを隅に置き換えてみていただければ、黒と赤のチェックのバッグではないことはお判りいただけたと思います。
すでにご紹介済みの「ちゃっと」も織り交ぜてみました。
どんどん遠州言葉を好きになって頂ければです。
そして、どんどん使ってみてくださいね。
遠州の方言もだんだん使われなくなってきた言葉もあります。
「くろ」も使われることも少なくなってきたように感じますが、でも生き続けている立派な遠州の方言です。
普段、私たちが標準語と思って使ってしまっている言葉の中にも遠州の方言がたくさんまじりあっています。
学生時代、東京で「ぷっ」と笑われたことが数知れず・・
笑った友達も地方出身者で、知らず知らずのうちにその友達も出身地の方言やイントネーションの不自然さをにじみ出していましたが、今となっては懐かしくて暖かくてやさしい時代を満喫していたと改めて感じます。
遠州では隅のことをなぜ くろ というのかわかりませんが、方言とはそういうものかもしれません。
まだまだたくさんの遠州の方言があります。
少しづつご紹介していきたいと思います。

日本には海があって山があって、川も湖もあって自然に満ちたやさしい国。
地方バンザイです。